妊娠中にはお腹の赤ちゃんのためにも、積極的に葉酸を摂った方がいいといわれていますよね!
葉酸は、主に、ブロッコリーやホウレンソウ、枝豆やモロヘイヤなどにも豊富に含まれており、毎日の食生活でも比較的簡単に摂取ができる栄養素です。
ただ赤ちゃんに良いだけなのであれば、あえて摂取を呼びかける必要もないような気もしますよね?
お腹の赤ちゃんに、どのような効果や影響があるのかについて、具体的にご紹介していきますのでご覧ください!
お腹の中の赤ちゃんに葉酸が必要とされる理由
妊娠女性向けの雑誌や母子手帳などでも、妊娠をしたら葉酸を摂取しましょうといわれています。これは、葉酸がおなかの赤ちゃんにとって必要とされる栄養だからというのが大きな理由になります。
でも、お腹の赤ちゃんにとって、どうして葉酸が必要なのかイマイチよくわからないですよね?
なぜ必要とされるかというと、お腹の中の赤ちゃんの発育に、葉酸が深く関係しているからなんです。
胎児が成長する時期に葉酸を摂取することによって
- 細胞の分裂と増殖を助ける。
- 身体の組織と臓器の形成を助ける。
主にこの二つの働きがあります。
この細胞分裂というのは、もちろん赤ちゃんの臓器を作り出すもとになっていくものです。
このことから見ても、葉酸は赤ちゃんの身体の細胞が作られる時に、なくてはならない重要な栄養素なんですね。
そして、この二つの働きは、「二分脊椎」や「無脳症」といった、赤ちゃんに起こる神経管閉鎖障害のリスクを減らすことにつながります。
葉酸不足でリスクが高まる二分脊椎や無脳症とは?
二分脊椎とは、脊椎骨の形成不全によって起こる、神経管閉塞障害のひとつです。
妊娠3週頃に、神経管がうまく形成されないことが原因といわれています。症状などはさまざまですが、足がうまくうごかせない「運動障害」や、物を触っても熱さや痛みを感じない「感覚麻痺」などがおこります。
一方、無脳症も神経管閉鎖障害の症状のひとつで、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄の形成がうまく行かず、脳の一部や大部分を失った状態で成長をするといった特徴があります。
生命の維持に重要な役割を担う脳幹などが欠如してしまうことから、妊娠中に死産となってしまうことが多く、出産できてもその後の生存が難しいといわれています。主に妊娠初期の2~4ヶ月頃の、極端な栄養不足が原因として考えられます。
これらの神経管閉塞障害は、この障害と関係がある組織が形成される時期に、葉酸が不足することによって起きる確率が増えることがわかっています。神経管などを作り出す際に、葉酸が使われるからです。
この障害を防ぐためにお腹の中の赤ちゃんが、葉酸を最も必要とする時期は、妊娠の超初期から初期にかけての期間になります。この時期にしっかりと葉酸を摂取しておくことで、リスクを軽減させることができるとされているのです。
このような神経管閉鎖障害を予防するうえでも、必要とする時期に十分な葉酸を摂取しておく必要があるとされているのです。
葉酸は赤ちゃんにどんな影響を与えるの?
では、この葉酸は、おなかの赤ちゃんにどのような影響を与えるというのでしょうか?
私たちのDNAは、遺伝情報どおりに、正しい細胞を生成するよう、指令を出す働きがあります。この細胞が生成される時に、さまざまな影響で、 DNAをミスコピーしてしまうことがあります。しかし、葉酸がこのミスコピーを修正しし、もう一度細胞作りをやり直してくれるのです。
葉酸が不足すると、その分ミスコピーが増え、その修復もできなくなってしまい、うまく細胞がつくられないケースがあることがわかっています。たんなる栄養素とはいえ、不足することによってこのような影響が起こりうるというのです。
ちなみに、二分脊椎の場合は、妊娠3週頃の脊椎骨の形成に深く関わっています。そして、無脳症の場合ですと、妊娠初期の2~4ヶ月頃の栄養状態が深く関係しているのです。この時期に、葉酸が不足していると、ミスコピーが増え、修復もできず、これらの障害のリスクが高まります。
しかし、妊娠の4週間前から妊娠12週までの間、1日400μg(マイクログラム)の葉酸サプリメントなどを内服すると、発生リスクが低くなることがわかっているのです。ですから、この時期に、葉酸をしっかりと摂っておく必要があるというわけです。
一般的に、妊娠中の女性は赤ちゃんの成長のために葉酸をとったほうがいいといわれていますが、妊娠の可能性がある女性や妊娠を望んでいる女性は、普段から意識をして葉酸を摂っておくことが大変重要なんです。
妊活女性なら、普段から摂取することによって、超初期の段階から、葉酸の恩恵をうけることができますね!
このように、葉酸は妊娠超初期の段階から、胎児の成長に大きな影響のある栄養素だということがよくわかると思います。しかし、葉酸は胎児だけでなくママにとっても嬉しい効果がたくさんあるのです。せっかくなので、葉酸の持つ血流アップの効果についてもご紹介したいと思います。
葉酸摂取でママの血流もアップ
葉酸は細胞の形成にとってなくてはならない栄養素ですが、血流に対してもいいことがあります。
葉酸は、ビタミンB12などと協力をして、赤血球の形成も助けてくれる働きがあります。その結果、血流を増やして、血流を良くしてくれる効果につながるのです。
さて、血流がアップすると、胎児にどんな影響があると思いますか?
最もうれしいのは、血行が促進されることで身体が自然と温まり、お母さんの冷えが改善されるということです。冷えが辛いと感じている女性はもちろん、妊娠中のママさんにとっては子宮が温まることにもつながります。
子宮や体が冷えると、流産につながるケースもありますので、こういった冷えが原因での流産を防ぐことにもつながります。「女性には冷えが大敵」とはこのことですね。
化学流産や稽留流産などは遺伝子が原因となることもありますが、葉酸を摂取して冷えを防ぐことによって、ダブルで流産の予防ができることにもなるのです。
ちなみに、血流アップによって得られる効果は、身体を温めるだけではありません。
妊娠すると、大量の血液がお腹の赤ちゃんに送られます。特に疲れたり激しい運動をしていなくても、妊娠しているだけで、気づいたら貧血になっていることは多々あります。妊娠後期になるにつれ、もっとたくさんの血液が必要になり、どんどん貧血が進行する傾向が見られます。
この貧血を改善・予防してくれるのも、やはり葉酸なんです。
妊娠中の貧血の原因には、鉄の不足もありますが、葉酸やビタミンB12などの栄養素の不足によっても起こります。葉酸は、このビタミンB12などと合わせて摂取することにより、血液を作り出し貧血にならないようにする効果があるので、こういった問題も解消できるんです。
十分な血流が体にいきわたることで、赤ちゃんにもしっかりと酸素や栄養素が届けられます。お母さんにとっても、おなかの中の赤ちゃんにとっても、葉酸は強い味方になるのです。
まとめ
葉酸が赤ちゃんや胎児に必要だといわれている理由、なんとなくお分かりいただけましたでしょうか?
葉酸が妊婦さんや胎児にとって必要とされる大きな理由は、赤ちゃんの障害のリスクを減らすことにあります。妊娠超初期の時期に形成される器官には、葉酸が多く利用されるためです。
不足してしまうことで、神経管閉鎖障害の発症リスクが高まるとされていますので、いつ妊娠してもいいように、妊娠前から葉酸を摂取しておくことがポイントです。
また、葉酸は、お母さんの身体の冷えも改善し、流産の予防にもなります。食事やサプリメントなどを用いて、上手に葉酸を取り入れるといいですね!