最近は、いろいろな成分配合の葉酸サプリや、さまざまなニーズにあわせてつくられた葉酸サプリメントを目にするようになりました。
こんなにもたくさんの種類や配合のものがあると、正直どれにしようか迷ってしまうことってありますよね。
今、販売されている葉酸サプリを、ざっくりとジャンル分けすると、妊活向けと妊娠中向け、どちらでもないタイプの方向けとで大きく3つに分けられるようです。
となると、「妊娠前から同じ葉酸サプリメントを飲み続けても良いのかどうか」といった疑問がわいてくる方もいるのではないでしょうか?
それぞれ、配合が異なるのであれば、妊娠前と妊娠後とでサプリメントを変えるべきなのでは?と不安に思われる方もいるでしょう。
今回は、この疑問についてまとめてみました。
今現在、妊活向けの葉酸サプリメントを利用している方も、これから葉酸サプリメントを利用しようと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください^^
妊活中から妊娠3ヶ月程度まではサプリメントによる葉酸摂取が必要
妊娠を望む女性の場合、妊娠の1か月前から妊娠3ヶ月程度のあいだ、食事だけではなくサプリメントによる葉酸もあわせて摂取するよう厚生労働省で推奨しています。
これは、赤ちゃんの成長のサポートや神経管閉鎖障害のリスクを減らすためのものです。
>>内部リンク
以前は「葉酸は妊婦さんが赤ちゃんの成長のために必要とするもの」という程度の認識が強かったのですが、いまは「妊娠初期に発生する可能性がある胎児の先天性リスクを予防するため」という認識が少しずつ広まりつつあります。
これにともない、妊活中の女性による葉酸サプリのニーズも高まり、葉酸だけでなく妊活むけに栄養素を配合したサプリメントなどもたくさん販売されるようにもなってきました。もちろん、「妊婦さん向け」として葉酸に鉄やカルシウムなどを中心として配合したサプリメントなどもこれまで通り多く販売しているのを目にします。
飲み始めるタイミングによってどれを飲むか迷ってしまうこともある
妊娠がわかってから飲むのであれば、迷うことなく妊娠中の女性に合わせて配合されたプレママ用の葉酸サプリを購入すればよいでしょう。
でも、問題は妊活中に選ぶ場合や、飲み始めた直後に妊娠したことがわかった場合などです。
妊活中の女性の多くは、きっと妊活向けに配合された葉酸サプリを選ぶことでしょう。妊活女性向けに配合された葉酸サプリメントは、葉酸だけでなく妊活力を底上げしてくれるような栄養素を多く配合しているものが多くみられます。
胎児の先天性リスクを予防するためにももちろん必要な葉酸サプリですが、少しでも妊活力アップにつながりそうなら…と、妊活向けに配合された葉酸サプリを選ぶ方がいて当然です。
でも、もしも妊活向け葉酸サプリを飲んでいた末、嬉しいことに無事に妊娠したとしたらどうでしょうか。
妊娠後もこのまま同じサプリ飲み続けても、お腹の赤ちゃんに影響はないのでしょうか?
妊娠中は、同じサプリを使っていて栄養不足になってしまったりはしないのでしょうか?
あれこれ悩むくらいなら、妊娠がわかった時点でささっと妊婦さん向けのサプリに乗り換えちゃえばいいのですが、中にはそうはいかない事情ってものもありますよね。
例えば
- 定期購入の縛りがあって一定期間解約できない
- また新たに妊婦さん向けのサプリを選ぶとなると正直めんどくさい
- 途中で買い替えると、コストが余計にかかってしまうから同じものをつづけたい
などなど。
同じ葉酸サプリでも、妊活中の女性が必要とする栄養素と妊婦さんが必要とする栄養素って微妙に違っていそうだから、その点も不安ですよね。
かといって簡単に乗り換えられるかというとそうもいかないというか、気持ち的にもなかなか切り替えにくいところもあるかなと思います。
では、どうするのが一番良いのでしょうか?
実は葉酸サプリメントが必要な期間は妊娠する1ヶ月前~妊娠3ヶ月まで
妊活中、妊活向けに配合された葉酸サプリを妊娠後も飲み続けてよいものか…この点で悩まれている方も多いかもしれません。
でも実は、葉酸サプリメントに対する考え方としては、「妊娠3ヶ月くらいまでは今と同じものを飲み続け、それ以降はサプリをやめて食事のみに切り替える」という形でOKなんです。
「え?葉酸サプリって妊娠中、出産まで飲み続けないといけないものなんじゃないの?」と思われている方もいるかと思いますが、実のことろそうではないんです。
厚生労働省が、葉酸を食事からの摂取に加えて、サプリメントでも補うよう推奨しているのは、妊娠1か月前(妊活中)から妊娠3カ月(妊娠初期)までです。
葉酸を摂取することで予防ができるとされている「二分脊椎症」や「無脳症」などの神経管閉鎖障害が発生する可能性があるのが、赤ちゃんの神経がつくられ始める妊娠4週ごろから妊娠6週ころとされているからです。
加えて赤ちゃんの器官がある程度完成する妊娠11週(妊娠3カ月)ごろまでは、葉酸を多く使うためサプリメントで補助的に摂取をしたほうが良いという考えもあって、妊娠1か月前(妊活中)から妊娠3カ月(妊娠初期)までとしているのです。
それ以降の妊娠4ヶ月から出産までの間は、1日480マイクログラム、食事から飲み葉酸を摂取すればそれでよいとされています。(この時期もサプリでの摂取が必要だと言ってるようなサイトには注意してくださいね!)
妊娠4週というと着床してすぐの時期ですから、だれにも妊娠したことはわからない段階です。さらにいうと、妊娠6週から7週のころは胎嚢が見えはじめ、心臓が動いていることが病院で確認できるかできないかといった時期にあります。さらに、病院によっても異なりますが、「保健センターで母子手帳をもらってきてくださいね」といわれる時期が大体10週~11週頃になります。
本来の「胎児の選定リスクのため」という目的で葉酸サプリを飲むのであれば、母子手帳をもらう頃になればサプリメントによる葉酸摂取をやめて、食事のみからの摂取に切り替えるので構わないということになるのです。
厚生労働省としてサプリメントで葉酸を摂取すべきとしているのは、赤ちゃんの神経管や器官形成が完了するまでの間です。妊娠する1ヶ月前~妊娠してから3ヶ月までの間を過ぎれば、葉酸サプリメント自体をやめて食事オンリーで補うので十分なのです。
葉酸サプリを飲む場合は妊娠後も同じもので大丈夫
基本的には、妊娠4か月以降は食事のみから1日480㎍の葉酸を摂取すればよいとされています。
しかし、つわりによる吐き戻しや思うように食事ができないなどの理由から、栄養不足や偏りが心配だという場合には、引き続き栄養補助として葉酸サプリを利用したいという方もいるかと思います。
このような場合には、基本的にはこれまで妊活中に使っていた葉酸サプリをそのまま飲み続けるので問題はありません。
妊娠したからといっても、あえて妊婦向けの葉酸サプリに変える必要は全くないのです。
ただし、配合されている栄養素の成分量によっては、妊娠中に足りないものや逆に多すぎてしまう場合があるため注意が必要です。
妊活中に飲んでいた葉酸サプリアが、そのまま妊娠後に飲んでも飲みすぎにならないかどうか一目で判断しやすいよう、ざっくりと表にしてみました。
妊娠中のママとお腹の中の赤ちゃんに必要となる栄養素(※必要量ではなく推奨量です)
必要となる栄養素 | 通常 | 妊活中 | 妊娠初期 | 妊娠中期 | 妊娠後期 |
葉酸 | 240㎍※食事 | 240㎍※食事 +400㎍※サプリ |
240㎍※食事 | 240㎍※食事 | 240㎍※食事 |
鉄 | 10.5㎎ | 10.5㎎ | 8.5mg~9.0㎎ | 21.0mg~21.5mg | 21.0mg~21.5mg |
マグネシウム | 270㎎~290㎎ | 270㎎~290㎎ | 310㎎~330㎍ | 310㎎~330㎍ | 310㎎~330㎍ |
カルシウム | 650mg | 650mg | 650mg | 650mg | 650mg |
亜鉛 | 8mg | 8mg | 10mg | 10mg | 10mg |
ヨウ素 | 130㎍ | 130㎍ | 240㎍ | 240㎍ | 240㎍ |
ビタミンC | 100㎎ | 100㎎ | 110mg | 110mg | 110mg |
※マグネシウムは18~29歳までと30~49歳までとで推奨量が異なります。
この中で、最も気をつけたいのが鉄の配合量です。
妊活期は生理からくる貧血や血液不足を補うため、ある程度しっかりと鉄をとるようにしたほうがいいのですが、妊娠初期には逆にあまり必要としません。しかし、妊娠中期以降は多くの血液を必要とするためたくさんの鉄が必要となります。妊活向けに配合されている葉酸サプリの中には、鉄の配合量を抑えているものもありますので、妊娠後期などには鉄不足にならないよう鉄が補える食事をとるなどの注意も必要です。
妊娠中のそれぞれの栄養素の摂取上限
サプリからとる栄養素 | t通常 | 妊活中 | 妊娠初期 | 妊娠中期 | 妊娠後期 |
葉酸 | 1000㎍ ※サプリの場合 |
食事のみでOK | 食事のみでOK | 食事のみでOK | |
鉄 | 7.5mg | 18,0mg(+2.5 | 18,0mg(+15.0 | ||
マグネシウム | 2,500㎎ | ||||
カルシウム | |||||
亜鉛 | +2mg | ||||
ヨウ素 | +110㎍ | +110㎍ | +110㎍ | ||
ビタミンC | +10mg | +10mg | +10mg |
まとめ
葉酸サプリの摂取が推奨されているのは、妊娠1カ月以上前から妊娠3カ月までなので、基本的には途中でサプリの種類を変える必要はありません。
ただ、妊娠3カ月以降はサプリを摂取するように指定されていないとは言え、それでも1日に480㎍の葉酸は必要になります。
もし食事だけでそれだけの葉酸が摂取できるか不安でしたら、そのままサプリを継続しても問題はありません。
その場合は、妊娠中期から必要量が2倍以上に増える鉄分もしっかり補えるようなサプリを選んでおくことがおすすめです。