基礎体温をつけられている女性の中には、高温期なのにガクッと体温が下がってしまい、また妊娠できなかったのではないかとがっかりした経験がおありの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
仲良しのタイミングに自信があると余計に落ち込んでしまいますよね。
妊活のために基礎体温を測っていると毎朝の体温で一喜一憂してしまうのもよくないとわかっていつつも、こうした基礎体温の変化は、やはり気になってしまうものです。
では、高温期に体温が下がってしまうのはなぜなのでしょうか?また、下がってしまうと、もう妊娠は期待できないのでしょうか?
そこで今回は、高温期に体温が下がる理由や妊娠の可能性などについてお話していきます。
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高温期に体温が下がった場合、妊娠は期待できない?
妊娠を希望して基礎体温を測定している方にとって、毎日の体温の変化はとても気になるものですよね。では、生理予定日よりも早くに体温が下がってしまった場合、もう妊娠は期待できないのでしょうか?
その答えは「NO」です。
一般的には、妊娠していると体温が高く、そうでないと低いというイメージがありますが、実はそうとは限りません。
ホルモンの分泌と基礎体温は非常に深い関係があるため、体温が下がるのは体温が下がるのは妊娠していないからだと思ってしまいがちです。しかし、ホルモン分泌に影響を与えるものは、他にもいろいろなものがあるのです。
そのため、妊娠の可能性とは別の理由によっても、高温期中に基礎体温が下がってしまう原因はいろいろあります。ですので、高温期に体温が下がってしまったとしても、基礎体温だけでは判断できないのです。
高温期に体温が下がる原因は?
では、高温期に体温が下がってしまった場合、どういった原因が考えられるのでしょうか?考えられる原因をいくつかご紹介します。
自分の体温が下がってしまう原因にはどのようなものがあるのか、参考にしてみてください。
基礎体温の測り方の問題
基礎体温計の使い方に問題があった可能性があります。
本当は高温期の体温がしっかり出ているのに、基礎体温計の使い方に問題があり、実際よりも低い体温が出てしまったケースです。
基礎体温計の先端がしっかり舌の裏に当たっていなかった
眠くて口があいてしまっていた
鼻呼吸が苦手で口で息つぎをしてしまった
上記のような場合には、正確に測定できず、低めの体温が出る場合があります。
さらに基礎体温は睡眠時間や起床時間、寒い季節の外気温でも影響を受けるため、このような原因で高温期中に体温が低く目に計測されてしまう場合があるのです。
黄体機能不全
毎周期同じようなタイミングで生理予定日前の基礎体温の低下が起こっている場合には、黄体機能不全の可能性が考えられます。
黄体機能不全とは、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が少ない状態のことをいいます。
黄体ホルモンには基礎体温を高温状態にする働きがあるため、これが不足している黄体機能不全では以下のような基礎体温の特徴がみられます。
高温期が短い
高温期の体温がガタガタしていて不安定
低温期と高温期の差がわかりづらい
基礎体温のグラフが、毎周期上記のような形になる場合は、黄体機能不全である可能性があります。
黄体機能不全であっても決して妊娠できないというわけではありませんが、子宮内膜が十分に厚みを持てなかったりすることなどから、着床しにくかったりする場合もあるので、結果として妊娠しにくくなるとはいえるでしょう。
黄体機能不全はクリニックでの基礎体温グラフのチェックや血液検査で調べてもらうことができるほか、ホルモン療法など適切な形で改善させることもできますので、気になる方はクリニックを受診してみるといいかもしれません。
着床時に起こるインプランテーションディップの可能性もある
排卵から7日~10日頃、体温がガクッと下がった場合、着床のタイミングで起こる一時的な体温の低下の可能性もあります。
このように着床時期に基礎体温が下がる現象はインプランテーションディップと呼ばれており、アメリカなどでは比較的メジャーな現象だとされているといいます。
もちろん、着床時期に基礎体温の低下がみられたからといって、必ずしも着床しているとは限りませんが、こういうこともあると知識の一つとして知っておくと慌てずに済むかもしれませんね。
体温が下がってしまっても妊娠の可能性は0ではない
高温期の最中に体温が下がってしまうと、妊娠出来なかったと諦めてしまうことも多いかとは思います。
しかし、妊娠の可能性は0ではありませんのでがっかりする必要は全くありません。
先ほどもお話した通り、基礎体温が変動する要因にはさまざまなものが考えられるからです。
生理予定日まではどうしても気になってしまうものではありますが、もし体温の低下などがみられたとしても決してがっかりしたりせず、一時的なことだと気にせずにいつも通り過ごすことが大切です。
変にストレスを抱えてしまうと、それこそホルモンバランスの乱れにつながってしまい良くないでしょう。
高温期のいつ頃基礎体温の低下がみられるのかなど、傾向をつかむことによって、ホルモンバランスの状態や体調の変化、ストレスがどれほど自分のリズムに影響を与えるのかなどを見極めていくことができるようになってきます。
なによりも、基礎体温だけでは妊娠しているかどうかは確定できないということを知っていると、基礎体温のちょっとした変動で毎朝気持ちがざわつくようなことはなくなるはずですよ。
高温期に体温を安定させるためにはどうすればいい?
高温期中の一時の体温低下について、あまり気にする必要はないと聞いても、やはりガタガタな状態よりは安定しているほうが良いですよね?
高温期に体温を安定させる方法はあるのでしょうか?
まず、最も大切なことは、生活習慣を見直すということです。
疲労や睡眠不足が重なってしまったりすると、ホルモンバランスは乱れてしまい、基礎体温も不安定になってしまいます。
普段から高温期の基礎体温が低めの方や、途中で下がってしまう傾向があるというかたは、まずは生活習慣に乱れがないかどうか振り返ってみましょう。
また、日ごろからストレスをためてしまいがちな方も、ストレスフリーな生活を目指すことが大切です。
毎日の基礎体温を気にしすぎて、それがストレスになりホルモンバランスを乱してしまっては元も子もありません。
日ごろから疲れやストレスをためず規則正しい生活をする、栄養バランスの良い食事をとることが基礎体温の安定につながります。
まとめ
基礎体温は生理周期のリズムをつかむ目安にはなりますが、高温期に体温が一時的に下がっただけで妊娠出来なかったと残念に思う必要はありません。
体温が下がる原因には、基礎体温計の使い方の問題や妊娠兆候であるインプランテーションディップがあるためです。
もし、高温期の体温の低下が毎周期同じようなタイミングで起こるようであれば、黄体機能不全という疾患が隠れている場合もありますが、本当に一時的なものであればそこまで気にする必要はありません。
ストレスフリーで規則正しい生活をめざし、バランスの良い食事をとってホルモンバランスを整え、基礎体温を安定させることが大切ですね。